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花粉は1年を通して飛散している!花粉症とどう向き合う?

花粉は1年を通して飛散している!
花粉症とどう向き合う?
Summary
●花粉症のメカニズム
●花粉症との向き合い方
●春の健康対策におけるCBD製品の活用法
花粉症のピークは一般的には2~4月とされていますが、春先はスギやヒノキ、秋にはブタクサなど、季節に合わせてさまざまな植物の花粉が飛散しています。そして、天気などの環境条件によって飛散量や期間が異なるため、しっかり対策を講じたいところ。
そこで、内科医の正高佑志先生に花粉症が発症するメカニズムから対策方法までを教えていただきます。

正高佑志先生
1985年京都府生まれ。熊本大学医学部医学科卒。『一般社団法人GREEN ZONE JAPAN』代表理事として、大麻草の安全性や有用性に関する啓発活動に従事している。難治てんかん患者へのCBDの有効性に関する追跡調査と学術報告を行い、大麻取締法改正への道筋をつけることに貢献した。著書に『お医者さんがする大麻とCBDの話』(彩図社)、『CBDの教科書』(ビオマガジン)がある。
花粉を異物だと判断して、
免疫システムが過剰に反応

―花粉症が発症するメカニズムを教えてください。
花粉症は、植物の花粉が体内に入ってきた時に追い出そうとして、自分の免疫細胞が過剰に反応してしまうがために症状が現れている状態です。
人間の身体には免疫システムがあり、①皮膚や粘膜による防御 ②食細胞による防御 ③リンパ球などの細胞による防御の3段階に分かれています。基本的には、身体の害になる菌が体内に入ってきた時に追い出すために機能しています。ただし、花粉は本来、身体の害になるものではありません。
―本来なら害ではない花粉に、なぜ反応してしまうのですか?
花粉症を発症するメカニズムは完全に解明されていませんが、現代は衛生環境が整っている中で生活を送っていることもあり、免疫システムの出番が少なくなっています。それは、活躍する機会がないため、免疫システムが暇を持て余している状態と言えます。そのため、本来は害ではない花粉を敵(異物)だと認識して追い出そうとしていると考えられています。
花粉を敵だと認識すると、体内にある肥満細胞からヒスタミンが出てきます。放出されたヒスタミンは、目や鼻の粘膜細胞にあるヒスタミン受容体と結合することによって目のかゆみや鼻水などの症状につながります。
―世界で見ても、日本の衛生環境は整っていると言われていると思います。だからこそ花粉症の発症率が高いということはあるのでしょうか?突然花粉症になる人も多い印象があります。
基本的に花粉症は、先天的ではなく、後天的な症状になります。なので、症状が6歳で現れる人もいれば、40歳で現れる人もいるというだけで、早いか遅いかの違いです。
そして、日本では約3000万人が花粉症と診断されているとされています。世界では約7%が花粉症だと言われていることを考えると、日本での発症率は桁違いに高いと言えます。
自分に適した治療法を取り入れよう

―花粉症にならないため、発症した場合の有効的な方法はありますか?
極端な話をしますと、スギやヒノキ、ブタクサなど、反応が出てしまう植物がないエリアで暮らすことが一番です。ですが、その方法は難しいため、花粉症を発症した場合は自分にあった治療法で付き合っていくのがいいと思います。
花粉症の治療には、肥満細胞から出ているヒスタミンを抑える、抗ヒスタミン薬と言われるアレルギーの薬が処方されるのが一般的です。ただし、ヒスタミンは神経伝達物質の一種なので、薬で抑えることによって眠くなる、普段よりぼ~としやすいなどの副作用が出る可能性があります。
また、脱感作・減感作(だつかんさ・げんかんさ)療法もあります。例えば、スギによる花粉症だとした場合、スギの花粉を毎日、少量摂取することで免疫システムに異物ではなく、自分の一部であると認識させる方法です。食品アレルギーにも取り入れられている方法ですが、そうすることで耐性ができ、免疫システムが反応しなくなるため症状がやわらいでいきます。
―春の健康対策として、CBD製品が役立てられることはありますか?
CBDには、足りたいところを補うという役割がありますので、その側面からは期待ができると思います。
また、CBDの経路は非常に複雑ですべてが解明されているわけではなりませんが、人体へのメリットとして、現在わかっている65の経路の中には季節の変わり目の健康対策にいいことがわかっています。
―ティンクチャー、カプセル、ロールオンなど、さまざまなアイテムがありますが、どのタイプがこの時期の対策に向いていますか?
基本的には経口摂取がいいと思います。例えば、ティンクチャータイプなら、ゆらぎがちな春の健康対策に有用とされている『べにふうき茶』に垂らして取り入れるのもいいと思います。
実は、僕も季節の変わり目はいろいろ気がかりになります。そこで、健やかな毎日のために『CBDカプセル』を1日1粒飲み始めてみたところ、僕の体感ではありますが、調子は良好です。カプセルタイプだとゆっくり溶けてCBDが体内に長くとどまることで健康維持にもつながりやすいと思います。また、CBDの摂取量の管理や体感を観察しやすいという利点もあります。
春の健康対策、体調管理はバランスを大切に

―持続時間が長いというのは、この時期の健康対策には大切な要素だと思います。
CBDを摂取した際は自分の体感に基づく判断も大切にしてほしいです。体調管理という意味でも、自分の身体の声に耳を傾けることは必要!
医師の意見やみんなが実践している対策を求めがちですが、大切なのは自分にあっているかどうかです。実際に取り入れてみないとわからないこともあると思うので、だからこそ自分の身体の声を聞き、今日の状態をきちんと見ることが重要です。そして、自分の身体のバランス、恒常性に目を向けて、健やかな状態に保っておくことが、本質的な体調管理だと思います。
―やはりバランスが重要なのですね。
はい。菌との向き合い方にも同じことが言えます。すべて除菌すればいいではなく、いい菌と悪い菌のバランスが重要です。バランスが取れている状態というのは、必ずしも悪い菌がないことではなく、いい菌と悪い菌も共存した状態のことです。そういった意味ではキレイにしすぎないほうがいいと言えるかもしれませんね。
花粉も同じです。花粉症だから花粉に触れない……と極端なことをするのではなく、その日、その時の自分の状態と向き合いながら、自分にあった方法で対策をしてください。