01AUG.2024
【コラム】ヘンプは地球を救う?
コラム
エリクシノールのヘンプCBD製品に使用されるヘンプ(麻)は、エコでサステナブルな植物として近年非常に注目を集めています。その高い機能性と地球温暖化の原因とされるCO₂を減らす効果が期待されています。
ヘンプは二酸化炭素吸収能力が高い
ヘンプは成長速度が非常に速く、種まきから収穫まで90日~120日程度です。その成長過程で茎や枝が大きく成長し、1ヘクタールあたり年間9〜13トンのCO₂を吸収すると言われています。一方で、森林は生育開始から1年間で約0.2トン(針葉樹林)〜約2トン(ユーカリ林)のCO₂を吸収するとされています。ヘンプは短期間で大量のCO₂を吸収でき、その能力は森林の約5倍に相当します。
二酸化炭素を固定することができる
ヘンプは二酸化炭素を吸収し、茎や枝を伸ばして成長します。収穫後に茎や枝などの有機物を土に戻したり燃やしたりすると、CO₂は再び大気中に放出されます。しかし、ヘンプの茎や繊維を建材などに利用することで、吸収したCO₂を固定し、大気中のCO₂量を減少させることができます。ヘンプは二酸化炭素の吸収力が高いことに加え、機能性も高いため、「ヘンプクリート」「ヘンププラスチック」「ヘンプウッド(パーティクルボード)」などの新たな活用が注目されています。
【ヘンプクリート】
ヘンプと石灰から作られる環境に優しい建材です。主に壁材(充填材)として使用されています。大量のCO₂固定に寄与するだけでなく、高い断熱性・調湿性・防火性を持ち、快適な住空間を生み出すことから注目されています。フランスでは20年前からヘンプクリートが使用されており、アメリカでは2022年より一般住宅への使用が可能になっています。

栃木県鹿沼市
【ヘンププラスチック】
ヘンプ繊維とポリプロピレンなどで作られる複合素材です。既に欧州メーカーの自動車のドアパネル等にヘンププラスチックが採用されており、一般化しつつあります。従来のグラスファイバーを使用したものと比べ、同等の強度を誇りながらも2割程度軽量であり、環境面および機能面で高く評価されています。

【ヘンプウッド(パーティクルボード)】
ヘンプの茎や繊維を熱圧縮して作る合板材です。近年は独特な木目が特徴の「ヘンプウッド」と呼ばれるフローリング材も販売されています。

なお、実は日本では伝統的に、ヘンプの繊維は漆喰(壁の塗料)に、茎は茅葺屋根の下地材としてなど利用されてきました。
脱炭素に向けた動きが世界的に加速する時代になり、時を超えて、日本でも再びヘンプ素材が身近な建物に利用される日が来るかも知れませんね。