
心地いい暮らしを送るスペシャリストたちVol.19 クライマー 石松大晟さん
心地いい暮らしを送るスペシャリストたち 2023.08.29
2021年に開催された『東京オリンピック』でも話題にとなったスポーツクライミング。今回の『心地いい暮らしを送るスペシャリストたち』は、クライミングを小学生から始め、現在は自然の中の岩壁を登るクライマーとして活躍している石松大晟(たいせい)さんです。
クライミングを始めようと思ったきっかけから教えてください。
父が山登りや本物の岩に登るロッククライミングをよくやっていたので、小学校低学年の頃に無理やり連れて行かれたことからでした(笑)。その後、家から約10分のところにボルダリング専用のジムができて通い始めたことで、本格的にやるようになりました。
いつくらいから楽しめるようになりましたか?
小学5年生くらいだと思います。もともと自然の中で遊ぶのが好きだったというのもありますが、登った時の達成感は他のスポーツで味わえなかったので、その経験をしてから楽しくなっていきました。
クライマーになろうと思ったきっかけはありましたか?
中学1年生の頃から大会に出るようになったのですが、一番のきっかけは高校を卒業するタイミングです。
大学に進学するか、クライミングのジムで働くかで悩んでいました。その時にジムのコーチから、「実力があるからクライミングの世界で働いたほうがいいよ」とアドバイスもらったことで、埼玉県にある『ベースキャンプ』で働きながら、競技を続けることにしました。

クライマーは、野球やサッカーのようにプロ選手としてではなく、働きながら競技に出場するスタイルだったんですね。
はい。プロとして活動する流れができたのは、ここ3~4年だと思います。当時はまったくそういう人はいなかったので、クライミングジムで働きながら練習をして、大会に出るという感じでした。
2021年に開催された『東京オリンピック』でもクライミングは話題になっていましたが、スピードを競う競技だったと思います。石松さんは自然の中でクライミングをしていますが、具体的には何が違いますか?
クライミングの大会やオリンピック競技はスポーツクライミングというジャンルです。スポーツクライミングは時間の制限があって、例えば、何分以内に何本登れるかということを競い、順位がつきます。
スポーツクライミングが相手選手vs自分という構図なら、僕がしているのは自然の中にある岩を登っていくので、その岩vs自分という感じです。
僕もスポーツクライミングの大会には約15年間、出続けていました。でも、そもそもクライミングは自然の岩を登るところから始まったものなので、「本来は人と競うものではない」と思っていたところがあります
大会に出場しながらも違和感があったから、自然とチェンジしていったという感じですか?
はい。自然の中によく行くようになったのはここ1、2年です。それまでは、ちょっとモヤモヤしたものを感じながら出場していた時もありました。
大会に出るのはやっぱり緊張するんです。僕の場合、本番の2ヶ月前くらいから大会について考えてしまっていたので、精神的にかなり疲れてしまうところがありました。でも、自然の岩場に行くとそういうことは考えなくて自由に登ることができるので、クライミングのより本質的なところを楽しめているような気がします。

スポーツクライミングと自然の中でのクライミングでは、トレーニング方法も違うと思うのですが、どのように取り組んでいますか?
スポーツクライミングの場合は観客が見ても分かりやすいように、大きな動き、派手な動きができるように作られていることがありますが、自然の岩は指先だけで持つ、掴むということがかなり増えてきます。小さい段差を脚で踏むこともありますし、「これは持てないでしょ!」というようなのっぺりとした岩壁も登っていかないといけない場合もあります。
人工的に作られたものではなくて、自然に形成された岩だから必ずしも登りやすいわけではないですよね。
はい。なので、最近はどれだけ薄い段差を登れるかというトレーニングをやっています。
具体的には、1cmの段差を両手でぶら下がって懸垂をします。ぶら下がって動くことで、指先から背中の筋肉まで使えるようになります。普段からそういう細かいことをトレーニングしていないと全然登れないんです。
自然が相手なのでメンタル面も重要だと思うのですが、どのように向き合っていますか?
メンタル面は、大会に出ていた時から実践している方法になります。大会の場合、他の選手の動きを気にしてしまうと自分の登りがまったく出来なくなるので、意識的に「目の前のコースだけに集中しろ!」とマインドセットしていたというか。それでもあまりいい動きができないこともあるので、自分を客観的に見るようにしています。
例えば、緊張している時に「緊張するな、緊張するな」と思うのではなく、「今、緊張している」と、一歩下がって自分を見る感じです。その感じで自分を見ることによって、メンタル面はけっこう安定してきました。最近は登っている時でも、一歩下がって自分を見るという意識を持っています。

クライミングとCBDは親和性がありそうなのですが、どのように取り入れていますか?
例えば、登れないコースがあったとして、30分くらいトライし続けてもできない時はイライラすることがあります。そういう時にいったんコースから離れて『VAPE(ベイプ)』を吸うことで、呼吸に意識がいきやすくなるので、自然とメンタルも落ち着いてきます。
その後、同じコースにトライすると、さっきよりスムーズに登れたという経験が何度かあります。その時にCBDのすごさを実感しました。
あとは、寝る前にお茶などに『CBDナノパウダー』を混ぜて取り入れることもあります。12時から21時までクライミングジムで仕事をする時は、その前に練習をするので、7時には起きています。でも、忙しい時は睡眠時間が削られてしまうので、そういう時に『CBDナノパウダー』を摂取してから寝ると、朝すっきり起きることができるので、睡眠の質があがっている感じがします。
ありがとうございます!最後に、今後クライマーとしての目標を教えてください。
今は、難易度の高い岩場に登ることを目標にしているので、そのためのトレーニングを続けています。でも、ベースにあるのは、クライミングを始めた頃から変わっていない自然の中で遊んでいる感覚です。登れた時の達成感ももちろんですが、自然の中にいるだけでリラックスできるので、そういうことも含めてクライミングの楽しさです。
そして、クライミングの起源は岩なので、僕が登っているところや自然の中にいる魅力をSNSで発信して、岩に行く人がもっと増えたら嬉しいです。
PROFILE
石松大晟さん
父親の影響で小学生の頃にからクライミングを始める。中学3年生のときには『山口国体』に出場し、国体九州ブロックではボルダリングで個人1位に。『JOCユースA』4位、『グラビティリサーチツアー2013』優勝、『2013東京国体 ボルダリング個人』6位、『ROCK2013(九州)最終戦』優勝、『IFSCクライミングワールドカップ八王子2017』6位、『IFSCクライミングワールドカップミュンヘン2017』3位、『第14回ボルダリングジャパンカップ』優勝、『第16回ボルダリングジャパンカップ』5位などを記録し、現在はネイチャークライミングをメインに行っている。
Instagram:@taiseiishimatsu
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