
スペシャルインタビューVol.3 岸紅子さん 後編
心地いい暮らしを送るスペシャリストたち 2021.11.22
自分の身体を知るためのファーストステップとして、どんなことを意識するのがいいでしょうか?
例えば、今日の夕飯を選ぶときに、「体は何が食べたい?」「今お腹が空いていますか?」と自分に聞いてみる。ただ惰性で、目の前にあるから食べるのではなく、今、何が必要なのかを自分自身に聞いてみる習慣だったり、心地いいなと思うことや、逆に嫌なこと、違和感などに対しても自分に聞いてみるのを意識してみてください。
自分自身に聞くことは、子育てにも必要なのかなと思っています。みんながやっているからではなくて、どうしてそう思ったのか。嫌なのも、好きなのも、「なんでそうなの?」って。なんでも「なんで?」と子供に聞くことは、物事に対しての好奇心をはぐくくむことになるのですごく大事な気がしています。
周りの声を気にするのではなく、大切なのは自分にフォーカスすることですね。
今はSNSが浸透していることもあり、たくさんの人の声が届きやすくなっていると思いますが、例えば批判を受けた時の対処のコツがありましたら教えてください。
岸氏:理解してもらえなさそうな相手だと思ったら、回避してもいいのかなと思っています。相手を説き伏せたいわけでも、世間に対して自分の正しさを証明したいわけでもないなら、そこに使うエネルギーを違うことに使おう、と切り替えていく。そうゆうふうにしていくと見る角度が変わっていくので、違う表現方法や突破口が見えてきたりもします。
なるほど。方法は、正面突破の一択ではないですもんね。
そうですね。やり方はいろいろあると思います。
コロナ禍もあって、ストレスが増えているという話も聞かれますが、日々できる解消法がありましたら教えてください。

コロナのパンデミックは、とても大きな社会的、経済的、精神的、肉体的影響を人々にもたらしたと思います。これまでの日常がひっくり返る、ということは誰にとっても大きなストレスですよね。被災をしたのに近い。
その中であっても現状に打ちのめされずに前向きに生きている人の多くは、価値観を素早く転換できた人のように思います。リーモートで仕事になるならワーケーションにしようとか、移動に費やしていた時間をスポーツに当てよう、とか。
気持ちが落ちないようにするには、身体を動かすのもおすすめです。セロトニンという前向きホルモンが分泌されます。散歩でも、運動でもいいですし、それも難しい場合は湯船に使って汗をかくのもいいと思います。
物理的に身体を疲れさせるということですか?
はい、そうです。身体のエネルギーをきちんと放出させたり、体に刺激を与えることをやってみてください。また、現代人はP Cやスマホを見る時間が長く、視覚ばかり使い前頭葉のみが偏って刺激されていることも脳疲労や不眠の原因です。たまには目を閉じて、ゆっくりスキンケアをしたり、深呼吸をしたり、自然の風を感じたり、音楽を聴くのもストレスケアとして良いと思います。
岸さん自身が取り入れている方法はありますか?

渋谷と山中湖の二拠点生活をしています。
私は渋谷で生まれ育ったので都会も好きですが、逆に田舎にも憧れがあって。
山中湖に行くと、空気や風、水など、体を取り巻く自然がやはり東京とは全然違います。身体が本当にゆるむし、脳のストレスがリリースされるのを自分でもしっかり感じることができます。
夏は畑をやっているのでその手入れも良い息抜きになります。
楽しみの見つけ方がわからないという場合もあると思うのですが、その場合はどのようなことを意識するのがいいでしょうか?
いろいろ食べないと味覚が開発されないのと同じで、いろいろな経験をすることは好みを発見するのにすごく大事だと思います。とりあえず、面白そうだなと思ったら参加ボタンを押してみたり、楽しそうにしている友達にくっついて行ったりして、いろんなことにお試しチャレンジしてみて、ハマるものを絞っていけばいいのではないでしょうか?
あとは五感を磨くこと。自然はその宝庫かもしれません。例えば森に身を置くだけで、五感で情報を吸収したり、一個一個の細胞レベルで温度や湿度や風速を感じたり、呼吸器で微生物とのコミュニケーションをしたりしているはずです。
私たち自身も自然界の一員ですから、シンクロする感覚があるはず。現代人はそれを忘れがちなので、意識的に取り入れていくと良いと思います。都会ならば緑が多い公園や神社など、自然を感じられる場所を訪れてみてください。

PROFILE
岸紅子さん
『NPO法人日本ホリスティックビューティ協会』代表。環境省アンバサダーも務め、「ウェルネスを通じて人と地球の美しい循環を叶える」をテーマに活動中。
NPO法人日本ホリスティックビューティ協会HP:https://h-beauty.info/
Instagram:@kishibeniko
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