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スペシャルインタビューVol.3 岸紅子さん 前編

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スペシャルインタビューVol.3 岸紅子さん 前編

心地いい暮らしを送るスペシャリストたち 2021.11.12

エリクシノールスペシャルインタビューの第3回目は、『NPO法人日本ホリスティックビューティ協会』代表の岸紅子さんです。岸さんが15年前から取り組まれているホリスティックビューティについてをはじめ、これからを健やかに生きていくためのヒントを前後編でお届けします。 前編では、ホリスティックビューティについてです。

岸さんが代表を務めている『NPO法人日本ホリスティックビューティ協会』のホリスティックビューティについて教えてください。

岸氏:ホリスティックとは、ギリシャ語の全体性を意味するホロスが語源と言われています。日本ホリスティックビューティ協会では、全体をとらえたうえでの美しさという意味合いで用いています。

美しさとは、高いレベルの健康であり、総合的なものです。身体と心、外見はすべてつながっているものです。もっと言うならば、環境も含まれています。私たちの身体は地球環境の中で作られている有機体。そこにまでの想いをきちんと持って生活することで、おのずと健康も、美しさも手に入りますということをお伝えしています。

ホリスティックとはとても広い視野が大切ということですか?

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岸氏:そうですね。個人のミクロな細胞レベルから、マクロな地球や宇宙までがすべてつながっていることを認識したうえで、自分の健康や美しさ、人生を紡いでいく。そういう目線を持ったセルフケアを行うということを、約15年前からお伝えしています。

岸さんがホリスティックに関心を持ったのには、何かきっかけがありましたか?

岸氏:私自身がストレス性の病気と、女性ホルモン系の病気になったことがきっかけになります。その当時は、自分が無理しすぎていた、自然なものを食べていなかった、調子が悪いときは薬で適当に対処していた、ストレスを甘くみていたなど、とても人工的で、不自然な生活を送っていました。

なんとか処方箋で自分の命を支えているような状態では、免疫力や自然治癒力がなくなってしまうということに気が付いたのです。自分自身の治癒力を高める生き方をしなければ、一生、薬に頼る生き方になってしまうと思い、そこから切り替えていきました。
自然治癒力は、心と体と環境という大きな循環がもたらします。病気になったことで、循環の大切さに気付かされたという感じです。

どういうところからホリスティックライフに切り替えていったのですか?

岸氏:私の場合は、昼夜逆転の生活だったので、起きる時間と寝る時間を整えるなど、生活リズムを太陽のリズムに合わせるところから始めました。それから、食べるものも、出前やコンビニ食ではなく、質素でも自炊をして素材が分かるものを食べようにしました。あと、毎日湯船に浸かるようにも。生活習慣を徐々に変えていったことで、自然と体も心も変化していったように思います。

ご自身の体験も含め、ホリスティックビューティを伝えていくことで、意識している、心掛けている点はありますか?

岸氏:日常の中にある、小さな不調の兆しに目を向けてもらうことです。例えば「冷え」とか「便秘」とか「生理前のイライラ」とか。病院に行くほどではないけれど生活の質に影響するプチ不調は、大ごとになる前の心身からのSOSなので、その段階で気づいてセルフケアをすることをお伝えしています。

私自身、病気になった後から振り返ると、そういえば風邪をひきやすかった、生理が辛くて毎月一箱鎮痛剤が必要だった、肌荒れに悩まされていた、ひどく気分が落ち込む時があった、など、色々なサインがありました。でも、なぜそんな症状が出るのか知識がなかったから、適当にやり過ごしてしまった。
だから闘病でキャリアが分断され、苦痛を味わい、治療に時間も金もかかって…肉体的にも精神的にも経済的にもダメージは大きかったです。

次世代にはそうならないようにしてもらいたいという想いで、『NPO法人日本ホリスティックビューティ協会』を立ち上げ、「みんなもリスクがあるから気を付けてね」ということをお伝えすることにしたんです。

ご自身の体験談を伝えていくというよりは、リスクについてお伝えしているということですか?

岸氏:はい、そうです。
私がなったのはストレス性の喘息と、女性ホルモン系の病気ですが、ストレスも女性ホルモンの乱れも、今の女性は皆さんリスクを持っています。
自分と関りがあることなんだと、多くの人が気付きを持ち、知ることで防げることがたくさんあります。知っていたら周りの人にも伝えることもでき、周りの人も防げる可能性があり、子どもにも伝わっていけば、子どもたちを守ることにもなります。いい連鎖ができるきっかけとして、私が得た教訓が少しでも役に立つんだったらいいなと思いました。

ストレスを貯め続けると体と心はどう変化してしまうか?女性ホルモン由来の疾患が30年で10倍に増えたのは何故か?過度なダイエットはどんな結果をもたらすか?不自然な食品を取り続けるリスクとは?など、身近に潜むリスクを例に気づきを与えるのがミッションだと思っています。

今でこそSDGsなど、社会の中でも動きが出てきましたが、岸さんがホリスティックビューティについて活動を始めた15年前は今とは状況が違っていたと思います。どんな壁がありましたか?

岸氏:15年前は、私がホリスティックビューティについて話をしても、「この人は何を言っているの?」という感じがありました。「ちょっと危ない人なのかも……」という視線を感じたこともありますし、意識高い系の人なんだと思われていました。あんまり耳を傾けてくれる方がいらっしゃいませんでしたね。

ところが、温暖化や土壌汚染などの環境問題は、良くなるどころか年々悪化していますし、慢性疾患などの生活習慣病も年々増加しています。近年は、気候変動やコロナのパンデミックなどでいよいよ潜んでいたリスクが顕在化してきたため、ようやく多くの人が「なんかやばいよね」と気付き始めたような状況ではないでしょうか。

その中でひとりひとりができる最も身近で貢献度の高いことって、健康であることだと私は思うんです。それはおのずと地球を健康にする選択につながっていきます。よりナチュラルな食べ物やコスメなどを選択し、食べ過ぎやストレスのため過ぎに注意し、日中を活動的に過ごして夜はちゃんと寝る。そんなふうに食料、生活用品、エネルギーも必要充分が一番心地よく健康的です。結果的に医療や薬のお世話になることを減らすことができれば、環境面のみならず日本のような医療費に42兆円もの税金を費やす日本のような国においては、社会貢献にもなります。本当に必要な人に医療を届けるためにも、次世代に重税などの社会的負担をなるべく背負わせないためにも、健康でいられる人はなるべくセルフケアをして元気でいたいですね。

ウェルネスの情報は溢れている印象があります。どのように精査していけばいいでしょうか?

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岸氏:特に今のご時世、健康系の情報量がすごいことになっていますよね。でも、偏った情報も多い。特に美容やダイエットの分野ともなると、玉石混交で安易な情報ばかり。

そもそも、人間の身体の構造や機能って複雑系ですよね。状況や年齢や生活習慣などでそれぞれ違うし。そのことをすっ飛ばして、「これを摂ればいい」「これを塗ればいい」というのは、少し乱暴で非論理的です。本当に根本的な解決をしたかったらまずは、自分の身体の構造、機能を良く知るってことがファーストステップ。

ひとつのサプリメントをとっても、必要な人もいれば、必要ではない人もいます。冷静に「自分はどうなんだろう?」と考えて、選択できる人が増えてほしいと思っています。そのためには知識が必要です。

そういう思いもあって、『ホリスティックビューティ検定』を作ったということでしょうか。

岸氏:はい。情報が溢れかえる中、そのすべてを実践したいと思っても人生の時間が足りないですし、お金もかかってしまいます。さらには、自分には必要ではないことすると、身体の機能を奪うことにもなりかねません。

だからこそ、自分に本当に必要なものを知って、上手に心地よく自分を運転してほしいと思い、その知識と知恵をホリスティックビューティ検定に詰め込みました。

『ホリスティックビューティ検定』では、選べるための知識を知ることができるんですね。

岸氏:まさにそうなんです。「あれがいいですよ」「こうしなさい」という、特定の何かを推すテキストの書き方はしていません。身体や精神の仕組みはこうなっていて、これが足りなくなってきたらこういうことが起こります。逆に、多くなりすぎたらこういうことが起こります……ということをまとめています。自分の状態を見て判断できるようなガイドになってくれたら嬉しいです。

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PROFILE
岸紅子さん
『NPO法人日本ホリスティックビューティ協会』代表。環境省アンバサダーも務め、「ウェルネスを通じて人と地球の美しい循環を叶える」をテーマに活動中。
NPO法人日本ホリスティックビューティ協会HP:https://h-beauty.info/
Instagram:@kishibeniko