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心地いい暮らしを送るスペシャリストたちVol.16 パーソナルトレーナー 金谷憲明さん

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心地いい暮らしを送るスペシャリストたちVol.16 パーソナルトレーナー 金谷憲明さん

心地いい暮らしを送るスペシャリストたち 2023.03.09

今回の『心地い暮らしを送るスペシャリストたち』にご登場いただくのは、パーソナルトレーナとして活躍する金谷憲明さんです。金谷さんのプログラムは、均整術を用いて柔軟性をつけるストレッチと筋トレで身体を作るのが特徴。あまり聞きなれない均整術についてを伺いながら、金谷さんが実践されている心地よく暮らすための習慣についてお話しいただきました。

パーソナルトレーナーを始めたきっかけについて教えてください。

実は、約20年前の僕は太っていました。その当時は、周りに飲む人ばかりがだったこともあって、毎日のようにお酒を飲んでいて、だから太ってしまったんです。さらに、プライベートでもいろんなことがあり、「人生を変えたい!」と。「まずは身体を変えてみよう」と思いました。

その時は痩せることが目的でしたか?

はい、そうです。いきなりジムに入ったわけではなくて、当時は知識がなかったので、まずは走って痩せようと。自分では走っているつもりでいたのですが、たまたまコンビニのガラスに映ったその姿を見た時に、歩いているくらいのスピードしか出ていなかったんです。その時にものすごく危機感を覚えて、そのままコンビニに入って『Tarzan』(マガジンハウス)を買いました。

その時の『Tarzan』が、“ダイエット先進国アメリカの答えは筋トレだ!“というような特集で、その内容を見ながら筋トレをしたり、食事に関してもお酒やお菓子はやめてみたり……。3kgくらいはすぐに痩せたんですけど、そこで頭打ちになり、どうしていいのか分からなくてジムに入ったという流れです。

身体に変化が出てくると気持ちも変わりましたか?

はい、目標をクリアしたという成功体験で自信がつきました。洋服を着るのも楽しくなりましたし、人前に出る時も変に引っ込むようなことはなりました。

そこからどのような流れでパーソナルトレーナーの道を歩むことになったのですか?

それまでは音楽イベントの仕事をしていたのですが、人間関係でうまくいかないことがあり、自分の責任で、誰からも何も言われない仕事はないのかな……と考えた時に、パーソナルトレーニングを受けていたことを思い出しました。

パーソナルトレーニングは、すべて自分の責任だし、自分のやった結果が分かりやすく出ると思ったことから、パーソナルトレーナーの仕事を始めました。

まったく異なる業種ではありますが、その時は必死だったので、「これしかない!」くらいの気持ち。なので、深くは考えていなかったです。とりあえずやってみてどうなるか、という思いでした。

パーソナルトレーナーの勉強を始めた時はどのように思いましたか?

身体のことはかなり複雑なんだと感じました。また、スクールに通ったのですが、そこで学んだことだけでは役に立たないことがあるということも分かりました。

スクールに通って知識を学び、資格を得たものの、現場で出てくる質問はまったく違っていて……。例えば、「朝起きた時に頭が痛いんですけど何でですか?」という質問があっても、スクールで学んだことは筋肉の動かし方やエネルギー代謝のこと。「スクールでは学ばなかったことを質問されるんだ……」と思って、またそこから独学で勉強したり、セミナーに行ったりしていろんな先生と知り合ったりしながら、少しずつ知識を積み重ねていきました。

その中で、自分の意識が一番変わったのは、均整術という整体を学んだ時です。当時、パーソナルトレーニングには、身体の不調に対してアプローチするという考え方はなかったのですが、均整術にはその考え方があったのが印象的でした。

金谷さんがスクールで学んでいた当時は、具体的にどのようなアプローチでパーソナルトレーニングが行われていたのでしょうか?

ボディビルトレーニングが主軸でした。どのタイミングでアミノ酸を飲むのか、血流をよくするサプリメントはなにか、何回すると筋肉が発達するのか……とにかく筋肉がメイン。だから、身体の不調や普段のケア方法などはなかったです。

均整術はあまり聞きなれないのですが、整体の種類のひとつですか?

整体の流派です。少し複雑なのですが、簡潔に話しますと、細身ですらっとしている人、がっちり筋肉質な人、少しぽっちゃりしている人というふうに身体の特徴を3種類に分けてから、どんなふうになりたいかに合わせて運動方法を変える感じです。厳密には12種類あるのですが、それが3種類にまで絞られるというイメージです。

大きく3種類に分けたうえで、ひとりひとりに適した形でトレーニング法を提案するということでしょうか?

はい、そうです。僕は、その人の身体に合わせて提案するのが、パーソナルトレーニングだと思っています。

トレーニングにもいろいろな方法があると思いますが、均整術が一番フィットしたということですか?

はい。均整術は、シンプルにトレーニング効果を上げてくれる手法でもあります。関節が動かしやすくなる、血流が良くなることもそうですが、骨格が整うので自然と姿勢が良くなります。そのようにボディメイクの要素が整体の中には入っていますし、骨格を整えてから筋肉を鍛えないときれいな形にはならないことも、経験を通して分かっています。

トレーニングを提案するうえで心掛けていることはどんなことですか?

その人のQOL(Quality of life=生活の質)がどうすれば上がるかということを一番に考えています。

例えば、お酒が好きな人は、お酒を飲んでることが幸せですよね。では、どうすれば気にせずお酒を飲めるようになるのか。また、僕視点でいうと、お酒は毒性が強いので、量が減るようにするにはどうすればいいかということを考えています。「お酒をやめてください」「ごはんを食べすぎです」「糖質制限してください」というような、直接的なことは言わないようにして、その人自身が自分で変わっていけるように導いていくスタイルです。

そうなるように道筋を整えていく感じですか?

そうです。例えば、「今日は運動したので、お酒飲むとものすごく酔っぱらいますから、今日はやめてくださいね」と言うようにするとか。ストレスでお酒を飲んでいる人もいらっしゃるので、運動することでそれがなくなっていきます。あとは、血流が良くなってくると酔っぱらいやすくなるので、自然と量が減るということもあります。

金谷さんご自身が、QOLを上げるために意識していることはどんなことですか?

僕はジャンクフードを食べることがあるのですが、30代の頃は徹底してそういうのやらなかったんです。添加物、揚げ物を一切取らないという生活を送っていました。その時、確かに身体は健康だったんですけど、「人生は楽しいのか?」と。ある時ふと思ったことがあり、それ以来、食事に誘われれば気にせず食べますし、お酒も気にせず飲みます。ただ、連続してやらないということは気をつけています。昨日は気にせず食べたり飲んだりしたから、今日から2日間くらいは質素にしようといったように、自分でバランスを取れるようになってきました。

質素にするとは、具体的にどんな感じですか?

まず、お酒は連日で飲まないこと。そして、外食はどうしても量が多いので、次の日は量を減らします。あとは、揚げ物も控えます。

食べないではなく、量や種類でトータル的にバランスを整える形ですか?

そうですね。基本的には量を調整します。おそらく一番身体に悪いのは、揚げ物などの油分なので、量に加えて油を調整します。

では、食事以外の部分ではどんなことを意識していますか?

40歳を過ぎてからは、リカバリー力がものすごく落ちたと実感しています。そのため、睡眠の質を上げることを考えるようになりました。まさにCBDが適していますよね。

CBDはどのような経緯で知りましたか?

つながりのある予防医学の先生から教えてもらいました。CBDに対してネガティブな印象を抱くことはなかったですし、不安や痛みが緩和するという話を聞いて、「すごくいい!」と思いました。

実際に取り入れ始めたのはいつ頃からですか?

5年前から知ってはいたのですが、取り入れ始めたのは約3年前です。初めて使ったのは吸うタイプだったのですが、その時は「ふわっとするかな」くらいでよくわかりませんでした。それは、タバコが吸えない体質なので、苦手意識があったからかもしれないです。

それ以来、いろいろ試してみて、体感がある日もあれば、まったくない日もあったり、自分の体調によって実感が異なるんだなと。なので、今はその時々、シチュエーションによって取り入れ方を変えるようになりました。

例えば、普段は、持続力が長いと感じているグミを取り入れることが多いのですが、お腹がいっぱいの時は顆粒タイプの『ナノパウダー』にしています。

ティンクチャータイプで気に入ってる使い方は、二度寝する時です。枕元に置いているのですが、たまに予定よりも2時間くらい早く起きてしまう日があるので、そういう時に2滴ほど舌下に垂らして二度寝をすると、すーっと眠りに落ちることができます。

睡眠のために取り入れているんですね。

はい、そうです。基本的には、睡眠に関わるような使い方をしています。あとは、仕事中に飲むことで、いいところで落ち着くこともあります。ただ、落ち着きすぎて頭がまわらなくなることもあるので、一か八かになってしまうところがあり、いろいろと試してみているところです。

睡眠のために取り入れるようになったのはなぜですか?

起きた時に回復していないと感じることがあり、深い睡眠が得られていないんだろうなと思いました。深い睡眠をするためにCBDを使い始めたのですが、入眠もスムーズになったと感じています。

あとは、夜にストレッチをメインにする時間があるので、その時に取り入れることもあります。

CBDとストレッチの組み合わせはおすすめですか?

リラックスしているほうが身体が緩みやすいので、そういう意味では、組み合わせとしてはいいと思います。特に、日常的に身体を動かすことが少ない人には、ストレッチ効果を上げることにつながると思います。

副交感神経が優位になるには少し時間がかかるので、ストレッチを始める前にCBDを取り入れることで、その時間を早めてくれるというのもあると思います。

今回は、3種のストレッチ法をご紹介いただきましたが、日常的に取り入れることで少しずつ身体は整っていきますか?

はい。身体の硬さを取っていくことで筋肉のバランスが整います。また、身体のバランスを整えるは、心のバランスを整えることだとも思っています。

今回のストレッチ3種は、身体の中でも硬くなりやすい股関節周りのストレッチ、疲労姿勢になりやすい呼吸に関わるストレッチ。そして、全身のバランスを整えるストレッチです。

ありがとうございます!最後に、パーソナルトレーニングを通して、その人自身がどんなふうになっていくことを望んでいますか?

僕のクライアントさんにモデル業をしている方がいます。その方が写真集を出した時に、「自分の身体を愛せるようになりました」というメッセージをいただきました。それがひとつの答えだと思っています。

僕自身の経験を通しても、自信がつくことはポジティブになれるきっかけになると思います。身体を変えることで、そうなるといいなと思って取り組んでいます。

【金谷さんが伝授!自律神経をサポートするストレッチ】

●股関節をほぐすストレッチ
「デスクワークをしていると脚の付け根部分が詰まりやすくなり、下半身の巡りが滞りやすくなります。鼠径部を伸ばすことでスムーズに巡るようになります」(金谷さん・以下同)

1.右足をひざを曲げて前に出し、重心を下げます。力んでしまわないようにゆっくりとした呼吸を意識しながら、40~50秒キープします。

2.重心を後ろに移動し、右足がまっすぐなるところで40~50秒キープ。左足も同様に行います。

※ポイント
40~50秒のキープが難しい場合は、15秒×3セットから始めましょう。

●背中を伸ばすストレッチ
「背中が丸まってしまうと疲労姿勢といって、しょんぼりした印象を与えてしまいます。背中を伸ばすことで呼吸がしやすくなり、姿勢改善と自律神経のバランスを整えることにつながります」

1.壁の前に立ちます。右手を伸ばして壁に手の平をつけて、右足を後ろに引きます。ワキを壁に近づけるイメージで背中を伸ばしていきます。力んでしまわないようにゆっくりとした呼吸を意識しながら、40~50秒キープします。左手も同様に行います。

※ポイント
40~50秒のキープが難しい場合は、15秒×3セットから始めましょう。

●全身のバランスを整えるストレッチ
「身体の硬さを和らげていくストレッチです。腕と脚をクロスした状態で前後左右に傾くことで、脳が一瞬勘違いするので、それを利用して身体の均等をとっていきます」

1.右足、右手を前にしてクロスし、腕を伸ばします。そのまま右→左→前→後の順に傾いていきます。力んでしまわないようにゆっくりとした呼吸を意識しながら、各場所8秒キープします。

※ポイント
深く傾くことよりも、呼吸がしやすいことが大切です。無理に傾けず、呼吸が意識できるところまででキープしましょう。

PROFILE
金谷憲明
パーソナルトレーナー、均整術師。KANAYA BODY LABORATORY主宰。
カウンセリングでフルオーダーメイドのプログラムを作成し、
トレーニングと整体施術を合わせた独自の手法で理想のフィットネスを追求。
女優やモデルを中心に数多くのクライアントのボディメイクを手がける。
Instagram @noriakikanaya99